8月18日に、Evernoteが初めて単独で開催する「Evernote トランク・カンファレンス」が行われ、世界中から300名を越えるEvernoteユーザー、デベロッパー、パートナーのみなさんにご来場いただき、大盛況のうちに終了しました。ありがとうございました!フィルの基調講演に始まり、Japan Prize受賞者のプレゼンテーション、夜のパーティーまでびっちり詰まったカンファレンスの舞台裏をお届けします。
基調講演
Skitch が Evernote ファミリーに
一番大きいニュースはなんといっても Skitch の買収。Skitch の特徴的なピンクの矢印を持ってSkitch創業者のクリス・ピアソンとキース・ランが登場すると、会場からは歓声が上がりました。Skitchは誰でも簡単に描画でき、写真や画像に書き込みやメモを入れられるアプリケーション(Mac)です。Skitch が Evernoteファミリーに加わり、無料で提供されることになりました。Evernoteとの連携も驚くほどスムーズ。Skitchで描いた図や、書き込みを入れた写真・画像をEvernoteにドラッグしてノートに加えたり、その逆にノートからSkitchに画像を送るのもドラッグするだけ。自分で描いた画像や書き込みを入れた写真が簡単に作成できるので、ノートの表現がますます広がります。ぜひ使ってみてくださいね。
フィルは、買収の理由について、今後タッチデバイスが増えるにつれて写真や書類に手書きでメモを加えられる Skitch のようなツールが次の時代のコミュニケーション・コラボレーションの中心になってくること、そして自分たち自身が Skitch を日常的にEvernoteと組み合わせて使ってきた非常に魅力的な製品であること、と語りました。今回新たに Skitch for Android がリリースされ、今後さらに多くのプラットフォームでも展開していくことが発表されました。ご期待ください!
世界中で加速するEvernoteの成長
全世界の登録ユーザ数は1250万人(2011年8月時点)、アクティブユーザー(*)は450万人と一年前と比べて大きく成長しています。国別でみるアクティブユーザーの割合は、アメリカ36%、日本が27%を占め、日本ユーザの割合が大きくなっていることを表しています。プレミアムユーザは56万人を越え、9万人だった1年前から6倍以上に増加しました。
* アクティブユーザー = 過去30日以内に1回以上アクセスしたユーザーのこと
今後リリース予定のプロダクト
今後リリースが予定されている「Galleries」も発表されました。これはユーザーにとって情報のアウトプットを支援するためのサービスで、最近作成したノートや写真の一覧、位置情報がついたノートをマップビューで閲覧したり、保存してある検索にヒットするノートをウィジェットの形で一覧できるようにするものです。ウィジェットは自由にカスタマイズできるほか、サードパーティ製のウィジェットも追加できるようになります。これに伴い、開発向けのイベントを10月に開催、開発ツール(SDK)を冬に提供することを予定しています。
100年続く企業へ
フィルはEvernoteの最終的な目標を「100年続く企業になること」だと宣言しました。シリコンバレーのベンチャーでこんなことを言うCEOは珍しいですが(フィル本人もそう言っています)、みなさんの記憶を預かる「第二の脳」を運営する企業としてEvernoteを100年続く企業にしたいという考えは、来日を通して、長い歴史を持つ日本企業から学んだと語っています。
デベロッパーコンペティション: Japan Prize 受賞者がステージ上でプレゼン
カンファレンスに先だってすでに受賞者が発表されたJapan Prize 2組の受賞者が、ステージ上で自分の作品を世界に向けてアピールするプレゼンテーションを行いました。英語でのプレゼンテーション、しかも5分きっかりでアピールしなければならないとあって、事前に入念なリハーサルやレビューを行いました。本番ステージ上では、次の写真のように二人とも実に堂々とした自信に溢れたプレゼンで、日本チームとしてとても誇らしかったです。

このプレゼンテーションにあたっては、メディアトレーニングおよびコーチングのエキスパートであるChing Wuさんが全面的にバックアップしてくれました。下の写真は、本番プレゼンを終えた受賞者の羅さん(左)とChingさん(右)。
カンファレンス本番の約3週間前から準備が始まり、Chingさんからプレゼンテーションの持ち時間・流れ・効果的なプレゼンにするためのポイントが伝えられました。デベロッパーコンペティション Grand Prize の最終候補者6組は、カンファレンス当日が最終投票を得るための「決戦プレゼン」なので、聴衆にいかに効果的にアピールするかが結果を左右します。応募作品が実現すること、ターゲットとなるユーザー、解決する課題、なぜそれが優れていてあなたが使うべきなのか、をシンプルにわかりやすくビジュアル化し、時間内に訴求することが求められました。
すでに受賞が確定していたJapan Prizeの2組も、最終候補者と同じアドバイスを受けながらプレゼンテーションをブラッシュアップしてきました。まず、自分自身のプレゼンテーションを作り、日本国内で事前リハを数回行ってから、多くの人にコメントをもらって改良していきました。そして、前日のリハーサルでも、Chingさんのコーチングを受けるなど何度も練習と改良を重ね、プレゼンのテクニックと内容を磨いて行きました。何度も練習して臨んだプレゼンテーション、今までで一番の出来だったと思います。杉上さん、羅さん、おつかれさまでした!

カンファレンスの最後に、Grand Prizeの最終候補者含め各賞受賞者全員がステージ上に。プレゼンが終わって、みんな表情がリラックスしていますね。

デベロッパーコンペティション:最終結果
プレゼンターにエスター・ダイソンさんを迎え、デベロッパーコンペティションの最終発表が行われました。プレゼンテーションの様子は同時にUstreamで全世界に中継され、Grand Prizeではリアルタイムに世界中から投票を受け付けて受賞者が発表されました(まさにTVのオーディション番組のようです)。スマートフォンやラップトップからその場で投票する様子は、臨場感溢れるものでした。世界70ヶ国以上からの250件近い応募の中から選ばれた作品は次の通りです。
Grand Prize: Touchanote
開発者: ウィズホップ ソリューション (モントリオール, カナダ)
グランプリを受賞したTouchanote は現実世界のものとEvernoteのノートをNFC技術でつなぐことができるアンドロイドのアプリケーションです。ノートにNFCタグ(おサイフケータイを実現する非接触技術)を割り当てておくと、NFC対応のスマホをそのタグに近づけることでそのノートが自動的に開きます。デスクに座った時にはTo-doリスト、棚の前に立ったら買い物リストと、現実の環境に応じて必要な情報を思い出させてくれることができます。
Wildcard Prize: Read-along Bookvids
開発者: アーロ ファリア (カリフォルニア州, アメリカ)
Read-along Bookvidsは本の読み聞かせのためのアプリケーションです。本の写真を撮り、本の内容の音声を録音して、Evernoteのフォルダで共有すると、文字認識と音声認識を行い、ページと読み上げを合成してナレーションに合わせて読み聞かせのビデオを生成してくれる。録音されたナレーションが、ページの最後になると、自動的に次のページにめくってくれます。
Student Prize: Desk in the Clouds
開発者: バーナード キャスパー, ドイツ応用科学大学
Desk in the Clouds は、架空のデスクの上に、必要なノートを配置することができるアプリケーションです。Evernoteのノートで仮想的なデスクトップ構成することができます
Japan Prize: EverFinder For Mac
開発者: 杉上洋平
EverFinderは、最速でEvernote内のノートを検索して開くためのアプリケーションです。フルキーボードでの操作、ノートブックやタグの絞り込みにより、最速の検索が可能になります。検索した結果はスティッキーとしてデスクトップに表示できます。
Japan Prize: Region of Interest
開発者: 羅ハユン・上杉類 慶應義塾大学
R.O.Iは、Evernoteのノートへの記録から人々の関心を可視化するアプリです。人は興味深く、重要な事柄を記録するという傾向があるため、聴衆が記録した単語数をグラフとして視覚化することにより、スピーカーが聴衆の関心を理解することを可能にしました。
カンファレンスの様子
ティム・フェリス、ガイ・カワサキ、ローロフ・ボタによるセッション(左)Evernote 創業者 ステパン・パチコフとCEO フィル・リービンのトーク(右)

また、午後からのセッションでは、”How to Big Japan”と銘打ち、なぜEvernoteがここまで日本で大きくなることができたのかを取り上げたセッションが行われました。写真は左から、日経エレクトロニクスのフィル・キース、CEO フィルリービン、NTTドコモ山下さん、慶應大学KMD教授のの古川さん。
カンファレンス運営を支えたEvernoteの美しきスタッフ。

もはやお約束、の、ジャイアントおーいお茶。ソースネクスト社長の松田さんとフィルが飲み干します。会場には伊藤園さんのブースが用意され、「おーいお茶」をはじめいろいろな種類のお茶が振るまわれていましたよ。

イブニングセッション
18:00以降のイブニングセッションでは、教育や記者、子育てなどの現場でEvernoteがどのように活用されているのかを紹介する、ユーザセッションが行われました。トランクで紹介されているEvernoteの連携製品をデモするブースもあり、スキャナやスマートペンなど多くの来場者が実際に試していました。日本からもShotnoteやScansnapなどが展示され、大盛況でした。
日本からカンファレンスに参加された方のツイートまとめは こちら から。
来年にまたこのようなカンファレンスが開催できることを楽しみにしています!
レポート担当:Evernote Naoya Miura

















