2013年1月25日〜27日にかけて、開発者向けイベント「Evernote Hackathon in Tokyo」が開催されました。日本では初めての開催となる Evernote Hackathon(ハッカソン)、さまざまな技能を持った人が意見をぶつけ合いながら一つのものを作り上げていくというコンセプトに基づき、エンジニアに加えデザイナーや製品企画に携わる方など、多彩な参加者が集結しました。オープニングの様子や、開発風景、各チームの開発作品のプレゼンテーション、授賞式の様子をお届けします。

会場は、銀座の Media Technology Lab。Evernote 連携アプリを作っているエンジニア、Evernote API を使った開発に興味があるエンジニアに加え、中学生・高校生も参加し、会場は熱気に溢れていました。

Hackathonとは
Hackathonは「Hack」と「Marathon」を掛けあわせた造語で、エンジニアが集まり、少数のチームに分かれて短期間(数時間という場合も)にアプリやサービスを開発して発表するイベントです。日本でもエンジニアを中心にいろいろなところで開催されていますが、特に今回の Hackathon では、異なる価値観、技能、経験を持った人たちが集まり、多様な考え方や意見をぶつけ合いながら切磋琢磨し、一つの目標に向かって作り上げることを目的としました。
Evernote Hackathon 開会式
オープニングでは、米国 Evernote 勤務のインテグレーション担当ディレクター佐藤真治と日本法人会長の外村仁が挨拶。「日本のものづくりは、とかく同じ業種の人同士で集まってものを作るが、色々なタイプの人が集まることでより良いものが生まれてくる。今回は異種格闘技戦というコンセプトがある。」と今回の Hackathon の意義について語りました。

開発開始!
今回のテーマは「クルマがある日常生活を充実させるためのアプリケーション/サービス」。このテーマに沿ったものを作り上げるために、参加者は3人以内のチームに分かれて、いよいよ開発スタート。イベントは金曜の夜から日曜の昼まで、3日間を通して行われましたが、実際に開発することができる時間は夜を含めても24時間ほどしかありません。チームが決まったあとは、すぐにアイデア出しが行われました。

Hackathon に合わせ、韓国、シンガポールなどアジア圏のEvernoteスタッフも勢揃い。

会場は静かながらも熱気の伝わる光景でした。
5分のプレゼンで全てを伝える
発表は1チーム5分間で行われました。今回のHackathonでは、技術的な検証はもちろんのこと、いかに魅力を伝えられるか、総合的なプレゼン能力が試されました。どのチームもコンセプトから発表まで非常にレベルが高く、また楽しませるプレゼンだったため、2時間に及ぶプレゼンタイムは熱気と笑いに包まれていました。
授賞式

最も技術力の高い作品贈られる『ベストハック賞』に選ばれたのは、飯塚修平さん、若林尚文さんの『∞(無限)ルート』。カーナビは目的地までの最短距離を示してくれますが、目的地までの間にはいろいろな楽しみがあるはず、というところに着目し、目的地を指定するだけでユーザーの好みに合わせて楽しい寄り道を提案してくれるアプリで、細かい気遣いも含めた実装の完成度が非常に高い点が評価されました。

最も素晴らしいコンセプトに贈られる『ベストコンセプト賞』は丸橋得真さん、斉藤紀明さん、深田拓さんによる『こびとノート』。Evernote でノートを作成すると、ユーザーの興味に関連していそうな情報を API を通じて他サイトから収集し、ノートに追加してくれるというサービス。単に Evernote に保存するだけではなく、それをトリガーにしてクラウドが付加価値を付け加えてくれるようなサービス・コンセプトが新たな可能性を感じさせ、人間の頭脳を助けるという Evernote の思想にも良く合致しているという点から、ベストコンセプト賞に輝きました。

ベストハック賞とベストコンセプト賞の受賞者には、Evernote から、開発用機材として iPad Mini・iPod touch・Nexus7、さらに今後のアプリ/サービス立ち上げ時に必要になる各分野の専門家から助言が得られる「メンターシップ権」がセットで授与されました。Evernote では、素晴らしいクリエイティビティを発揮する日本のエンジニアを応援し、日本発の製品・サービス開発の 発展に貢献したいとの思いから、若い開発者やアプリ/サービスの立ち上げを目指す方々へのインキュベーションの一環として、 このような“サポート”も賞品として設定しました。また上記に加え、Amazon Web Services 様のご厚意により、参加者全員 に対して開発の効率化支援として Amazon Web Service クレジット(25 ドル分)がプレゼントされました。
また、各協賛企業から1つずつ賞が用意されていましたが、すべての作品があまりに素晴らしかったため、現場で特別賞が複数設けられることになりました。すべての受賞作品はブログの文末に記載していますのでご覧ください。。

協賛企業のコメント
株式会社トヨタ IT 開発センター 社長兼 CEO 橋本 雅人氏:
「どの作品も大変すばらしい出来で、審査には大変頭を悩ませましたが、Memory Ever は、審査員全員が『あのアプリ欲しい』と言ったのが一番の選出理由です。その裏には車の移動空間を楽しくさせてくれる。乗った後はもちろんのこと、乗っている時 も楽しいはず。最後はダメ押しで、周辺監視カメラを使ってストリートビューもどきを作るという提案は、車のハード設計者には大 変頭の痛い話ですが、将来ひょっとするとそういう時代も来るのかも知れないと感じました」
株式会社ぐるなび 総合政策室 アライアンスチーム 家中 みほ子氏:
「全体的に企画力・デザイン/開発力・プレゼン力のレベルが高く圧倒されました。20 組中 13 組に『ぐるなび API』を使用した作品を出していただきそれぞれに良い点があったため最後まで悩みました。最終的には、車の移動が飲食店との新しい出会いを創出するという、今回のテーマに一番ふさわしいものを総合評価で選定させていただきました」

発表後の懇親会では皆さんほとんど寝てない中、疲れを感じさせない笑顔で交流されていました。

今回の Evernote Hackathon は、参加者のみなさん、協賛企業様、審査員およびメンターのみなさんのおかげで、大変素晴らしいイベントとなりました。誠にありがとうございました。
参加者のみなさんからのフィードバックを参考にし、次回の Hackathon 開催に役立てたいと思います。ぜひ次回の Hackathon にもご期待ください!
■ご協力ご協賛いただいた企業の方々(敬称略・順不同)■
- 株式会社トヨタIT開発センター
- 株式会社ぐるなび
- Mashup Awards 運営事務局
Hackathon の3日間の写真はEvernoteの公開ノートブックに掲載してしております。ブラウザで閲覧することができる他、「参加」を押すことでご自身のEvernoteに共有ノートブックとして取り込むこともできます。
≫ Evernote Hackathon 2013の写真を見る
受賞作品一覧
| ベストハック賞 | ||
| 受賞作品 | ∞(無限)ルート | 開発者: 飯塚修平、若林尚文 |
| 作品の説明 | 目的地を指定すれば好みに合わせて寄り道を提案してくれるアプリ。 | |
| 受賞理由 | IT は効率のみを追求しがちだが、寄り道をするという「逆転の発想」は全てのイノベーションに必要な要素。細かい気遣いも含めた実装も非常に完成度が高く、ベストハックに相応しい。 | |
| 賞品 | ・iPad Mini、iPod touch、Nexus 7、AWS 200 ドル分 ・メンターシップ権(ビジネスモデル、資金調達、法務、メディアなどに関する専門家からのアドバイスを得る権利) |
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| ベストコンセプト賞 | ||
| 受賞作品 | こびとノート | 開発者: 丸橋得真、斉藤紀明、深田拓 |
| 作品の説明 | Evernote でノートを作成すると、API を通じて他サイトから関連情報を自動的に収集し、ノートに 追加記載するサービス。 | |
| 受賞理由 | 単に Evernote に保存するだけではなく、それをトリガーにしてクラウドが付加価値を付け加えてくれる ようなサービス・コンセプトが新たな可能性を感じさせる。人間の頭脳を助けるという Evernote の思想にも良く合致している。 | |
| 賞品 | ・iPad Mini、iPod touch、Nexus 7、AWS 200 ドル分 ・メンターシップ権(ビジネスモデル、資金調達、法務、メディアなどに関する専門家からのアドバイスを得る権利) |
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| トヨタ ITC 賞 | ||
| 受賞作品 | Memory Ever | 開発者: 村山薫史郎、安尾友佑、細見友章 |
| 作品の説明 | クルマ内外を写真記録し、家族での遠出を楽しく記録するサービス。 | |
| 受賞理由 | 審査員全員が『あのアプリ欲しい』と思った。車の移動空間を楽しくし、乗った後はもちろんのこと、乗っている時も楽しい。周辺監視カメラを使って 360° の周辺映像を作り、記憶にするという提案は、車のハード設計者には大変なものの、将来そういう時代も来るのかも知れないと感じた。 | |
| 賞品 | 『Nexus7』と開発ボード『Arduino』のセット(人数分) | |
| ぐるなび賞 | ||
| 受賞作品 | 道ログ | 開発者: 根本貴弘、坂東塁、井辺拓男 |
| 作品の説明 | 普段の通勤経路で見落としている情報を記録してくれるサービス。 | |
| 受賞理由 | 通常ぐるなびは目的ありきで検索をするケースが多いと思うが日常生活の中で意識することなく情報をとりためておき、新たな飲食店との出会いになることがポイントだった。また、ロードサイドから少し外れたお店にも寄り道できる、というのも車ならでは。ハッカソンのテーマにふさわしいということで総合評価で選定した。 | |
| 賞品 | ぐるなびギフトカード 5 万円分 | |
| Mashup Awards 賞 (メディアテクノロジーラボ) | ||
| 受賞作品 | Evernote To Go | 開発者: 植本裕紀、斉藤健太、菅野吉郎 |
| 作品の説明 | 各種センサーを活用して安全運転の度合いを計測するサービス。 | |
| 受賞理由 | デザイン、完成度、アイデアの 3 つの観点から、非常に完成度が高かった。また、楽しんで開発するという態度がプレゼンテーションやデザインなどすべてに現れていた。 | |
| 賞品 | ・次回 Mashup Award の 1 次予選会免除 ・特製 PC ケース、ノベルティセット(各人数分) |
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| 特別賞 PFU 賞 | ||
| 受賞作品 | Evernote for Engineers | 開発者: 藤原敬弘 |
| 作品の説明 | 開発中に覚えておかなければいけない情報(エラー名、そのエラーをどう解決したか等)を、開発ツールから自動的に Evernote に格納していく。 | |
| 受賞理由 | どうしてもエンドユーザ向けのサービスが注目されるが、開発者向けの本サービスは、極めて実用性も高く、また、高度な技術が駆使されている。 | |
| 賞品 | Happy Hacking Keyboard | |
| 特別賞 タクシー王子賞 (日本交通 川鍋一朗社長) | ||
| 受賞作品 | くるみちゃん | 開発者: 高木志宗、山添隆文、杉本達應 |
| 作品の説明 | 車載ディスプレイでクルマ同士のコミュニケーションを円滑にし、ハッピーなクルマ社会を実現するサービス。 | |
| 受賞理由 | クルマ同士の気づかい、コミュニケーションの必要性は、タクシー業界でも強く感じる。本サービスは実現までの障害はあるかもしれないが、そのような世界の可能性を予感させてくれた。 | |
| 賞品 | 著書「タクシー王子、東京を往く。」、タクシーチケット 5000 円分 | |
| 特別賞 Pina 賞 (インフォテリア社 平野洋一郎社長) | ||
| 受賞作品 | OTSUKAI | 開発者: 渋谷修太、伊藤弘樹、桜井裕基 |
| 作品の説明 | クルマを持つ主婦と、高齢者などのニーズをマッチングする買い物代行サービス。 | |
| 受賞理由 | 幾つかの社会問題に取り組む意欲作。実現には課題もあろうが、日本の将来の為にどのように IT が取り組めるかを示してくれた。 | |
| 賞品 | ワイン蔵で平野社長と日本の将来について語り合う | |
| 特別賞 Sam 賞 (KMD 古川享教授) | ||
| 受賞作品 | HIP | 開発者: 久川真吾、久川まり子 |
| 作品の説明 | スマホの音声認識機能をハード連携して生活を便利にするソリューション。 | |
| 受賞理由 | 日本こそ注力すべきハードとの連携可能性を感じた。KMD の学生と共に更なる可能性を追求した い。 | |
| 賞品 | 古川さん厳選のおいしいレストランご招待 | |
| 特別賞 Sam 賞 (KMD 古川享教授) | ||
| 受賞作品 | CarPic | 開発者: 渡辺祥太郎、田中響和、鈴木柚花、矢倉大夢 |
| 作品の説明 | クルマで通った経路で絵を描き、それを見せ合って楽しむサービス。 | |
| 受賞理由 | 中学生・高校生によるチームの新しい発想、努力、そして大人をも引き込む力を感じた力作。日本の未来は明るいと感じさせてくれた。 | |
| 賞品 | ビクター スポーツカム GC-XA1 (人数分) | |




1つのコメント
安藤岩夫
ネットワーク工程表を、誰か作って欲しいのですが